まず、血小板についてご説明いたします。
血小板は創傷治癒になくてはならないものです。たとえば、足に怪我をして傷口から出血します。それが時間がたてば、血が固まり、治癒過程が始まり、傷口は治っていくでしょう。
それでは、どういう風にして治癒が起こるのでしょうか。血小板には、多くの成長因子が含まれていますが、その働きによって創傷治癒の調整あるいは促進が行われるのです。
ところで、その成長因子ですが、代表的なもので、血小板アルファー顆粒中に
1. 血小板由来成長因子(PDGF)
2. トランスフォーミング成長因子β1(TGF−β1)
3. トランスフォーミング成長因子β2(TGF−β2)
さらに、末梢血小板に
4. インシュリン様成長因子T(IGF−T)
などが含まれています。これらの成長因子により、傷ついた部分が再生されるのです。
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では、どのようにして歯科領域での骨再生に応用するのかをご説明します。まず歯槽膿漏の歯茎の手術やインプラント埋入手術の前に、ある一定量の採血を行います。
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採血後、PRP生成用専用容器に挿入 その血液を特別な遠心分離機にかけ、濃縮した血小板の溶液を作るのです。 |
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←専用の遠心分離機にかけPRPを生成(右)
右側沈殿物がPRP、うわずみ液がPRP(小血小板血漿) |
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←専用容器に採取(左PRP)
それがPRPすなわち多血小板血漿と呼ばれるものです。 |
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このPRPと自家骨と混合し、歯槽膿漏やインプラントオペ時に骨欠損部へ移植するわけです。
←PRPと自己血由来トロンビン |
PRPは、血小板の塊ですから当然凝固するわけですが、その凝固時に先ほどお話した成長因子(造骨因子)を放出することとなります。
その結果、骨再生の能力が最大限に高められることとなり、より確実に、より安全に造骨が可能となるのです。
また、このPRPは自己血液から造りだした組織再生促進剤であるため、最近注目を浴びている薬害問題、つまり、狂牛病、肝炎、エイズ、クロイツフェルトヤコブ病などの生物由来成分による医原性感染とは無縁なことは、患者サイドにとっては非常に安心できるものです。
問題点としては、
1. PRPはあくまでも組織再生促進剤とし使用するものであり、単独での造骨ではあまり期待できない。そのため、自家骨やβ−TCPなどの骨補填剤との併用が望ましい。
2. PRPの生成にあたっては精度が必要となるため、熟練した術者が望ましい。
もしそうでなければ、精度が高いPRP生成機の使用が不可欠である。(現在のところ、ハーベスト社のSmartPRePのみがその高い精度をなしえるものである)
ハーベスト社製SmartPReP↓

3.PRPの使用に当たっては、血小板の凝固にトロンビンを加えて活性化させるのですが、この場合、ウシ由来やヒト由来のトロンビンを用いることとなります。
しかし、先ほどのハーベスト社製のSmartPRePであれば、PRP生成と同時に患者本人の血液を材料とした自己血由来トロンビンの精製も行うので、安全ということになります。
つまり、先述した生物由来の医原性感染の心配はいらないということになります。
このように、PRPは適切な操作の元、的確な使用により、効果的でなおかつ安全性の高い骨造成を可能とする歯科臨床再生医療の
重要な処置となってきているのです。